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「ヨリト、ヨリト。起きてよ。朝だよ。」
「う…うん。」
目を開けるとミチトが目の前にいる。
「ミチト、今日は早起きだね。」
「何、寝ぼけたこと言ってんだよ。ヨリト、お腹すいたよ。なんか食べ物さがそう。」
「え…?母さん、いないの?」
「ヨリト、しっかりしてよ。俺たち昨日、小さくなって虫の世界に入り込んじゃったんだよ。」
半ば呆れ顔でミチトが言う。
そうだ!!思い出した。寝ぼけてる場合じゃないぞ。
「確か…ランドセルにまだ昨日のグミの実があるよ。つぶれてないといいけど。」
僕たちは洞穴から外に出た。
朝日がまぶしい。小さくなった分だけお日様の光がよけいにまぶしいのかな。
ミチトがランドセルによじ登ってなんとかグミの実を確保した。
良かった。グミの実は大きいままだ。
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