虹に向かって

はじまりのとき

僕たちは集団登校で学校へ行く。
ミチトは班長のくせにいつも遅刻する。

「遅～い！」

「ミチトは班長のくせに～。」

「ヨリトくんが班長だったらミチトはいつも置いていかれちゃうね。」

1年生の子達にそんな事を言われて、頭をかきかき登校するのもいつもの朝の風景だ。

ミチトは1年生の子達からも呼び捨てにされている。
僕はヨリトくん…。

ミチトはいつも

「俺って馬鹿にされてんのかなあ。」

って、首をかしげるけど、ほんとはそれだけ小さな子達に慕われているんだよ、って何度も言おうとした。だけどなんとなくそれがうらやましくて今まで言ったことはない。

僕って嫌なやつなんだ。

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