大樹の物語:日常

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『普通のラブコメならここは、学校1のマドンナなのに…あぁ~…とことんついてねぇ』 大樹の希望は虚しく、ぶつかった相手は男だった。 七星高校では、学年別にタイの色が異なっている。それからみると、大樹と同学年のようだ 「すいません!すいません!」 ぶつかった相手は先ほどから謝りながら、小銭を拾っている 「大丈夫やから…怪我もしてないし。そっちは平気なんか?」 そう聞かれると集めた小銭を大樹に渡し、こう続けた 「怪我がなくてよかったです。僕の方は全然大丈夫ですよ。それより、お金は全部ありますか?」 大樹は渡された小銭を数えだした。 「え~と………大丈夫!全部あるよ」 そう大樹が告げると 「よかった~」と安心したらしい 『喜怒哀楽が激し~』 と大樹が心の中でつぶやいていると相手が急に尋ねてきた。 「この時間に美術室にいるってことは、君も6組?」 どうやら、この相手も大樹と同じクラスだったようだ。 大樹が「おう…」と返事をすると、相手は 「マジで?僕、いまだにクラスに馴染んでなくてさ~ 次の美術となりに座っていい?」 と満面の笑みで続けた。どうやらこの喜怒哀楽が激しい少年も大樹と同じようにクラスに打ち解けていないようだった。
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