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「いや、別に構わないがね…」
美術の先生はそういいながら大樹たちに微笑みかけた。
しかし、間もなくして授業開始のチャイムがなった
それなのに、クラスメートは半分も集まっていない
まあ、大抵の奴らは五分ほど経って、美術室に走り込んできた
残るはあのケバ女たちだ
多分、まだ教室にいるんだろう
先生は気にとめることもなく授業を始めた
授業中の大助は意外と静かだった。
まあ、うるさかったらコイツの存在に前から気づいてるか。
しかし、しゃべりたくてウズウズしているのか、チラチラと大樹の方をみている
『そんなに俺を見るな~~!』
大樹はあまり乗り気ではなかった
大樹にとって、大助の話は全くついていけないものだった。
いや、ついていこうとしていない
「何?」大樹は大助に尋ねてみる。
「だって、中学のときとか授業中喋ってばっかだったから…」
『お~…。俺もそうなんですが』
「んで、我慢できないと」
「うん」
『ああ…図星か』
大樹も実際はしゃべりたかった…
『せっかく出来た友だち?なんだしな…』
自分に言い訳を作るとこう続いた
「ちっちゃい声でね…」
そう言ったとたん、大助の顔がパァーッと明るくなった
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