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此処は、神園美夜(かみぞのみや)お嬢様が住んでいるお家です。私は、神園家に仕える執事の澤城零央(さわきれお)と申します。今、お嬢様のお父様もお母様も仕事で海外に行かれてます。
「零央、今日も夜出かけるからよろしくね。珠樹(たまき)を部屋に呼んでくれないかしら?」
「畏まりました。」
珠樹さんは、お嬢様の夜のお仕事のお世話をする男性です。
ボディーガードみたいな役割を仕事にしてます。
「…今日のお仕事は、軽く終わりそうね。教会に出向いて情報収集して来ようかな?」
お嬢様は、普通の女性とは違う素質を持って生まれたそうです。
それは、夜の仕事に関わる上で最も大切な事なのですが、秘密にされてるようで教えてもらえないままなのです。
「珠樹さん、お嬢様がお呼びですよ。」
「直ぐに行く。」
青い目を持ち短髪で長身の珠樹さんは、お嬢様の命令には忠実に従います。性格は、熱血タイプで口は悪いですが根は良い人で仕事は必ず最後迄やり遂げる方です。
「零央さん、珠樹が呼ばれたって事はお嬢様は今日も出かけられるのですか?」
「はい。お嬢様は、夜の清掃活動に役立たれていますからね。」
「零央、あまり笑えませんよ。」
「スミマセン。」
お嬢様を心配する彼は、珠樹さんと仲良しの陸十(りくと)さんです。お嬢様の事を心配される優しい方です。仕事は、お菓子作りをされてて紅茶を入れるのがとても上手です。私は、執事なのに情けないですね(笑)
「お嬢様、いつも怪我をされて帰って来てるようですが大丈夫でしょうか?」
「心配いりませんよ。珠樹さんがついてて怪我の手当てをされてくれていますからね。」
「…お嬢様の身が心配でなりません。」
「…陸十さん、そろそろティータイムにしましょう。」
「そうですね。」
陸十さんがお嬢様を心配される気持ちはよく分かりますが、私達がどうこう言ってもお嬢様の仕事ですから目をつむるしかないのです。
「それで、昨日の獣から採取した血を調べたの?」
「はい。桂木博士に今調べて貰ってます。」
「…珠樹、気をつけてね。あの博士、貴方狙ってるみたいだから。変態で有名よ。」
「お嬢様が、苦手とされる人ですね。しかし、仕事はちゃんとしてくれますよ。」
「腕は確かで、女子が好きな顔をしてるんだけど綺麗な男以外は興味ないそうよ。あれが、幼馴染みじゃなかったら良かったんだけどね。」
「…はぁ。」
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