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お嬢様は、神父様に持っていた銃を向けられ不機嫌な様子でそう言われました。
撃つ気は無いのですがお嬢様の注意という事でしょう。
「分かりました。貴女には、敵いませんね。美夜さん、今度食事でも如何ですか?」
「…神父が、女性を口説くなんて神様も呆れてるわね。折角のお誘いなんだけど私には素敵な獣さん達とのデートで忙しいからお断りよ。」
笑顔で断られたお嬢様は、内心かなり怒っていました。
神父様も、お嬢様の仕事の上での付き合いというだけで異性としては見ないようです。
「その獣達より劣るというのですか?残念です。…では、そろそろ本題に入りますか?」
「短くお願いね。私も色々と忙しい身だから。」
「分かってますよ。昨日、美夜さんが倒した獣が傷を負わせ煙の様に消えた。最近の獣は、姿を眩まし次会うと前より強くなってるとの報告がありました。」
「獣達も賢くて強くなってるって事かしら? 武器もより強くしないと人類滅亡よ。」
「そうですね。敵のデーターを取り早く対処出来る様にしますよ。其まで時間はかかりますが辛抱下さい。」
「仕方ないわね。頼りにしてるわ。ついでに、銀弾も聖水でお願いね。」
「貴女の為なら喜んでしますよ。」
「そういうのは、他の女の人に言うと喜ぶわよ。じゃあね。」
お嬢様は、教会を出て家に戻って来られました。そして、部屋で休まれました。
「…傷がまだ完治してないのよね。あの獣、今度会ったらただじゃすまさ…ない。」
「お嬢様…入りますよ。」
私が部屋に入ると、顔色が悪いお嬢様がベッドに倒れられていました。
「…零央?薬、打ってくれない?」
「お嬢様…無茶をなされたのですね。今日のお仕事はお辞めになった方がよろしいのではないですか?」
「…出来ないわ。私の大事な仕事だから。」
苦しそうに話すお嬢様を私は、抱き抱え起こしました。
「お嬢様の体は1つしかありません。その体で仕事されても、被害が出ますよ。」
「…じゃあ、どうすればいいって言うのよ!」
「今日は私を連れて行って下さい。珠樹さんは、お嬢様の体の異変に責任を感じ豹変されるでしょうからね。」
「…簡単な…仕事じゃないわよ。獣の事知らない素人が何が出来るの?」
「やってみないと分かりません。私は、お嬢様の味方ですから。」
お嬢様の体調は、話すだけで精一杯でした。毒が体に回っているようです。
私は、お嬢様を助けたい。そう思いました
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