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ざわめきが作戦室を支配する。
当のエルナークは、いまだその口を開かない。
ラルバンドは軽く目をつぶると、言葉を選ぶようにゆっくり話し始めた。
「グラード殿を含め、この軍議に参加されている皆さんに改めて言っておきたい事があります。
私はこれまで、合理的に軍を運ぶことを策を練る際の二番候補にしてきました。
最優先は、グラード殿もおっしゃったように、人命、つまり、如何に被害を出さずに目の前の戦を終わらせるか…です。
しかし、この最後になるであろう戦いにおいて、我々の命などいくらの価値がありましょう?
『最後の戦』と『そこに至るまでの戦』は、全く意味が違います。
『いままでの戦』に必要だったのは、次の戦にも勝つ為の戦術です。
その為には、当然人命は最優先しなければいけません。
しかし…」
ラルバンドは間を開けると、ゆっくりとエルナークをみやり、また視線をグラードに戻した。
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