覚醒の時

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ある家の窓から朝の光が差し込み一人の男の顔を照らす。 「んっ…ぅんっ……もう…朝なのか…」 しばらく眠気の余韻に浸った後ゆっくりと体を起こす。 「また…嫌な1日が始まるんだな…」 このネガティブな彼はこの小説の主人公[氏神 創一(ウジガミ ソウイチ)] 顔は良いのだがなにしろこんな性格ゆえに友人は少ない、もちろん彼女もいない。 今年から高2で青春真っ盛り………な訳はない。 学生服に着替えると部屋を出てゆっくりと一階のリビングに向かう。 そこには母親[香苗(カナエ)]と朝食を食べている3つ年下の妹[美樹(ミキ)]がいた。 「おはよう母さん…」 「おはよう。さっさと朝ご飯食べちゃって。」 素っ気ない毎日の会話だ。 「ねぇ、お兄ちゃんさぁどうしてそんなに暗いの?顔はいいんだから性格直せばいいのに。」 この言葉も耳にタコができるほど言われている。 「うるさいな…ほっといてくれ。」 「はいはい。あっそろそろいかなくちゃ。」 そう言うと美樹はカバンを持ち玄関の方へと消えた。
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