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人通りも大分少なくなった帰り道を歩きながら創一はさっき聞こえた声の事を考えた。
(あの声は俺が死を考えた事に対して無理だと言った。どういう事だ?俺は死ねないのか?)
「そんな奴いるわけねぇか…」
いつの間にか声になってしまっていた。
「あれぇ?死神ちゃんじゃあないのぉ!」
突然聞こえた声、だが聞き覚えのある声だ…
振り返るとそこにはいかにも不良という感じの男が2人立っていた。
声をかけてきた方の男は見覚えがある…見ただけで憤りで感情が一杯になる。
それほどに憎い奴だ。
「やっぱ死神かぁ…ひ さ し ぶ り」
いかにも憎たらしく語りかけてくる。
「その名前で呼ぶな…!」
「何で死神なんだ?」
もう1人の男が訪ねた。
「あぁ…こいつ中学の時のサンドバッグみたいなもんでよ暗いし、名前も氏に神だから死神なんだよ。」
訪ねた男がへぇ~と言うのが聞こえた
「まぁいいや、じゃあな、死神君。」
そう言い残し創一を追い越して細い路地に消えていった。
「………」
創一は何も言おうとしなかった。
無言のまま、また家に向けて一歩一歩ゆっくりと歩き出した。
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