不能力者

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 教室に入ったレイドを最初に出迎えたのはたくさんの軽蔑の目だった。  レイドはそんな視線を無視しし、適当な場所に座る。  今日は中等部から高等部への入学式。  周りの学生はすでに適当なグループを作ってしゃべっていたり、大人しく席に座って本を読んだり寝ていたりしている。  レイドは窓側の一番後ろの席をキープしたので、そこから見える校庭を眺めていた。  校庭には誰もおらず、校庭の周りにある大量の桜の木が咲き誇っていた。  だが、桜を見ても今さら綺麗とかは思えない。登校中に散々見たし、そんな気分ではなかった。  それでも暇だったのでレイドは校庭をぼーっと眺め続けていた。
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