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「米ドルは今弱いから日本円でもかまわないかい?」
なにげにタイムリーな金の亡者・まさるを清水が睨みつけました。
「その前にパチンコに使った金返せ!」
「そうじゃよ。わしにも何か返すんじゃよ!!」
なぜか胸ぐらを掴まれたままのお尻も便乗していました。
拳を突き上げています。
「お前、何かってなんだよ」
清水は(ある程度)普通の人なのでお尻が何を要求しているのか気になったようです。
「そ・それは……夢や希望とかそんなのです。あ! あと……夏の思い出とか?」
「…………は?」
そんなもの金に弱くて胡散臭い白人男性に要求しても無駄じゃないでしょうか?
「Ok.返そうじゃないか」
「金持ってんのか?」
清水の質問にニヤリと笑うまさる。
「……そんなものあったらすぐ使うに決まってるじゃないか」
なんだか両手を広げて清水を威嚇し始めています。
「なんだと!?」
「ミーが返すと言ったのはオシリスカ氏の夢とか希望とか絶望などさ」
……なんかひとつ増えてませんか?
「わぁ、わしの人生がここにきてバージョンアップですな?」
まさるは腕組みをして仁王立ちになりました。
笑顔は笑顔ですが胡散臭い気がするのはなぜでしょう?
「Oh,yeah! その通りさ。ただし、無料というわけにはいかないんだ。世の中そんなに甘くないのだからミーが楽して儲ける為に……」
お尻はプルプルしながら拳を握りしめています。宙に浮いたままですが怒ってますね。
「き、貴様ーー!!」
「……どうかしたのかい?」
仁王立ち+嘘っぽい笑顔のまま、目だけ見開いたまさるは怪しさ1.5倍です(当社比)
「夏の思い出もつけれ~!!」
怒るポイントがずれてました。
「そうするとオプション料金が別途必要になるがかまわないかい?」
なぜか商談になってしまいました。
「……あの~」
レナは三人(というかお尻とまさる)の会話についていけなかったようでちょっと戸惑っていました。
「とりあえずお話の続きは天界でなされてはどうですか?」
パッ
「痛いっ」
清水がお尻を放したのでお尻は地面に膝を打って痛そうです。
「……いや、オレ行かねーし」
「遠慮しなくていいんですよ。もう決まりましたから」
「だから、遠慮じゃねーって」
半ば強引に天界行き決定してしまいました。
「ぐおぉ、膝小僧がぁぁー!」
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