増える奇人ども

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あのレナという子が『やっ!』と可愛らしいかけ声で右手の親指と人差し指、小指を立ててこっちに変な光を投げかけてきた。 なるほど、普通の女の子にこんなことできるはずも…… 「!! なんじゃここは!?」 オレは取り乱して辺りをキョロキョロしてしまった。 「天界ですっ。他の2天使はまだ試練を受ける方をスカウト中みたいですので暫しおまちください」 そう言ってレナちゃんはデカい建物に飛んでった。 「天界……?」 地面は全部雲。 ただし、ちゃんと踏める。 見た目ふわふわしてるようにも見えるけど。 そして神殿のような建物以外なんもない。 ここ、無駄に広いな。 「ついにわしはここに来た! ……しかしなにしに来たか一向にわかりませんが?」 お尻がなんか叫んでるし。 「うーん、ユーロという手もあるぞ」 まさるはまさるでまだ報酬があると思ってるらしい。 とりあえずこの奇人ペアは雲の上に来たこと自体にはあんまり驚いてないようだ。 「お前らはあんま驚いてないのか?」 「驚いてますとも。わしらはアネさんの策略にはまって奴隷商人に引き渡されるが、その運命から逃れたい!」 なんか拳を握りしめて力説しだした。 あの子がそんなドス黒いことするか!! ……そして最後のほう願望かよ。 「元はまずいんだ。あの大国もジリ貧だからね」 まさるはぎこちなくウインクしてきやがった。 無理してすんな……ていうか上手く出来てもすんな。 「お前は貨幣の話から離れろ!」 「わかった」 まさるは大きく頷いた。意外と聞き分けがいいようだ。 「では株の話に切り換えよう」 ……なんもわかってねぇし。 「これからどうなるか少しは不安がれよ」 無理?こいつらを普通の心理状態に導くの不可能? 「わしに考えがある?」 「知るか! お前が考えてることをオレが知るわけねー」 深刻そうに喋り出すまさる。 「……残念ながらオシリスカ氏のアイデアでは持ってフ〇ーザ編の終わりくらいさ」 こいつら…… 何の話してんだ!? そしてオレを無視して意志疎通してんのがムカつく。 「意味がわからん」 お尻がため息をつきながら『やれやれ』というゼスチャーをした。 「やはり足を引っ張るダメ人間がいるとは……。我が軍の士気にも関わってくるんじゃよね」 ………… この裸足が!!!
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