増える奇人ども

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「ミスター力水? あそこに現れたのはどういう人たちなんだい?」 力水……もはや水しか合ってねぇ。 訂正すんのも面倒だからまさるの視線の先を見てみた。 そこには4人の若者が立っていた。 全員オレより少し年下位に見える。 レナちゃんみたいに羽を生やした青年が一人、ただし見た目天使というよりギャル男かチャラ男。 賢くなさそうな男が一人、こいつもちょっと軽そう。そして無駄にうるさそう。 先の2人とは逆に賢そうな青年が一人。顔立ちも整っていてこの中では一番まともに見える。 最後に女が一人。 どんくさいというか、そういうオーラを感じる。いわゆる腐女子っぽさ全開。 ぼけーっと彼らを見守る裸足と外人。 しばらくするとレナちゃんと同じく、羽生やした奴は神殿の方に行ってしまった。 なぜかバカデカい着歌をならしながら、しかもパラパラ踊りながらだった。 ……アレが本当に天使かどうかは謎だ。 「オレら以外にも拉致られた奴らがいるようだな」 向こうもこっちに気づいたのか、男2人が何か喋って首を傾げた。 女がなんか叫んで興奮しだしている。ここからではあんまり聞こえないが男子がどうの、とかちらっと聞こえてきた。 何やら指折り数えているが何してるのか全くわからん。 ……お尻同様の問題児かもしれん。 お尻が彼らにガンガン近づいて行く。 「ふむぅ、そこの少年? わしらの方が先に来たからわしらの方が先輩なんですよ?」 初対面で何言ってんだ裸足アフロが。 第一うちらの中で一番不審者であるお前がしゃしゃり出てきたらオレまで変態と思われるだろうが! まさるはまさるでいつもの怪しいスマイルを発動中。 こいつらと一緒にいるとオレだけまともなのに同類項にまとめられる危険性があるってのが非常に不愉快だ。 そんなことを思っていると、賢くなさそうな男がお尻に返事した。
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