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ここは天界。
誰がなんと言おうと天界丸出しです。
荘厳な神殿が雲の上に存在していますがステルス機能搭載につきパンピーには見えません。
その神殿の最奥にある一室。
カミサマは今日もこの部屋でダラダラしています。
六畳一間の和室で寝転がって『柔らかオカキ』を食べていました。
えぇ、荘厳なのは外装だけです。
「ヒ~マ ヒ~マ ヒマ 暇過ぎる~♪」
なんか歌っています。
ガチャ
ここは和室なのにドアが開く音がしました。
カミサマは何事にも和洋折衷派なんです。
扉を開けてカミサマの部屋に入って来たのは三人の天使。
ツンツン茶髪の見た目20代ですごくチャラ男っぽいセイジ、ボウリングのボールくらいのロボットR-18、15歳くらいの白みがかった金髪で青眼の少女レナ。
「う~む、狂おしいほどヒマじゃ。なんか楽しいことないものか……。お、キミ達! ここで会ったが百年目、なんかオモシロイことないかね?」
寝転がったまま首だけ三人に向けてケツを掻きつつカミサマが話しかけます。
「ん? わっちに訊かれても困るよ~。そういえば最近モンハンとか面白いらしいよ~♪」
そう適当に返してカミサマの柔らかオカキを食い出すR-18。
「あ、汝……勝手に食うでない! モンハンなら発売日に全クリしたわい。夢の中でファンゴの群れに襲われたのはまぁまぁ面白かったが」
普通はそんな夢イヤです。
「マジィ? カミサマ渋谷、渋谷いこーぜぇ! マジあそこにあるダチがやってるクラブ、オニアツイからぁ」
セイジの提案。
右手で襟足、左手でデコりまくった携帯をいじりながら。
イントネーションもチャラ男特有で天使には全然見えません。
R-18も天使には見えないけど。
「渋谷はダメだ! オヤジ狩りに遭うではないか!! 第一、わしは動きたくない……。な、なんだその目は!? いや、断じて引きこもりではないぞ?」
弱冠動揺しているカミサマです。
「何スか、あれぇ? マジうけるんスけど」
セイジはパンパンと手を叩きながら時折カミサマを指差して爆笑しています。
「こらっ! カミサマをバカにするんじゃない! バチが当たるぞ……ていうか当てるぞ!? 全く……最近の若者は」
それは職権乱用ですよね?
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