暇つぶしの被害者たち

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ゴゴゴゴゴ……!! 大地が激しく振動!!! この近辺はマグニチュード6はありそうです。 「アタイは柔軟剤じゃねぇーーーっ!!」 そう叫んで顔を上げたレナ。 声は邪気を発し、青かった眼は真紅に染まっています。 レナは『柔軟剤みたいな名前』と言われたら暴走する子でした。 他にもレノア、ソフランと言う言葉に反応します。 その凶暴さは天界最高権力者であるカミサマも本気で土下座するほど。 一度暴走するとターゲットが気絶するまで絶対に攻撃を止めないことから『血海の堕天使』という通り名も持っています。 「オイ変態! 地獄見る覚悟は出来たか?」 レナは右手を後ろにひき、腰を落として攻撃体制に入りました。 「うをっ!? やっぱりわしはやられる宿命なんですか……? そんな宿命いらねー。おーい、全世界の誰か~? わしを助けさらせー!!」 ギュィィィン…… レナの全身に黒い闘気が宿る。 「うっせぇこのドカスがーー!!」 ガスッ!ザクッ!!ドカッ!!! ズギャーーン! 「ミョッミピャーーー!!」 ……ドサッ!! すごく言いづらい断末魔の叫びとともに50メートル近く吹っ飛ばされたおっさん。 「次はねーぞ……」 捨てゼリフと共にレナの眼が元のキレイな青色に戻りました。 おっさんはギリギリ生きてたようで塀際でピクピクしてました。恐らく清水という男の必殺技を受けすぎたせいで守備力が上がってたんでしょう。 「あ……アレ? 先ほどの方は?」 アナタが吹っ飛ばしちゃいましたよ? おっさんを見つけたレナは駆けよります。 「あの……」 塀に背をつけてガクガクしながらおっさんが命乞いを始めました。 「だだだダメー! これ以上やったら死にます」 「あ、いえ……大丈夫ですか?」 自分が吹っ飛ばしたことなど知らない天使はおっさんを気遣います。 ちなみに美少女天使コンテストでも決勝戦で審査員がタブーを発したため暴走、優勝を逃してます。 三年連続。 しかも三年とも同じ審査員の失言でした。 「し……清水と決着をつけにきたんですな? わしは清水の仲間じゃねーですよ。姉さんについていきます」 おっさんは恐怖のあまり混乱したみたいです。
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