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そしてレナを先導する変なオッサン。
ビクビクしながらボロボロのアパートまでたどり着きました。
「こ、ここに奴がいます。あ・アネさんならきっと勝てますからわしには危害を加えないで頂きたいっ!」
レナとちょっと距離をとって愛想笑いをする変人。
なんだか必死です。
「オシリスカさん……、こんな建物に人が住めるわけないじゃないですか」
レナちゃんは真面目な子です。
イヤミではなく本気でそう思ってるようです。
「本当にここにいるんですよ? 今召還します」
そしてオシリスカさんが叫びます。
「コラーー!! 変態岩清水ー! アネさんと勝負致せー!?」
ガチャ
「あぁ!?」
二階の一室からドSそうな青年が出てきました。
「ひえーっ!? ちちち・違うんですよ? わしではなくアネさんがそう言えと言ったのでわしはただの善良な宇宙人……」
オシリスカというオッサンはレナちゃんのせいにしました。
この人ダメです。もういろいろとダメですね。
「あの方が清水さんでしょうか? わたし、ちょっと言ってあげます」
「行けー! わしの守護神様ー!! 奴を叩きのめして亡きものにしてくださーい」
物騒なこと言ってます。
しかも他力本願……。
「お尻……お前はぁ!!」
いつの間にか降りてきた青年はオッサンをお尻と呼びながら胸ぐらを掴んでしまいました。
持ち上げられたせいでバタバタと空を切るオッサンの足。
「アネさん助けてー!」
お尻の言葉に隣をチラ見する清水。
「この子は?」
「あ、わたしはレノアリア=ソフィー=ランティスと申します。お気軽にレナとお呼びください」
バタバタ暴れるお尻をよそに丁寧に自己紹介する律儀なレナちゃんでした。
「あ、オレ……清水。レナちゃんはこのオッサンに何かされたの?」
そう言って右手を少し上げる清水。
オッサンがさらに高く上がります。
「うをー!? 違うですよ? 被害者はわしです。だから助けてー!! 早く二人で決着つけてください」
お尻はさっきから支離滅裂でした。
一体どっちに助けを求めてるのでしょうか?
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