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「あの、清水さん? 目上のかたにそんな乱暴してはいけませんよ?」
「え? コイツは全然目上じゃないし……。ていうかうちに勝手に住み着いてて迷惑してんだけど」
お尻と清水の話に食い違いが生じました。
「えぇっ!? それではどちらが本当のことを言ってるのでしょう?」
純粋な天使なのでコロコロと態度を変えるダメお尻が嘘吐いてることに気づいてません。
「いや、こんな怪しいオッサンの言うこと信じるのはどうかと思うけど?」
清水の言ってることは正論でした。
ここでお尻が反論します。
「わしは無実ですよ? ……つまり、この話には裏で糸を引いている人物がいる! そいつをひっ捕らえて北町奉行所に突き出すのです!」
「お前……次はまさるのせいにするつもりか?」
胸ぐらを掴まれたままのお尻がビクッとなりました。
どうやら図星のようです。
「清水さん、まさるさんと言うのはどういった方なんですか?」
何故かお尻が答えます。
「ヤツは謎の助っ人外人です。そして第三者の目から見れば諸悪の根源は絶対ヤツです。今から一緒に、これから一緒に殴りに……」
バキッ!
その前に清水がお尻を殴りました。
「ぐふぅ」
「ふざけんな! どう考えてもお前が原因だろーが!!」
「清水さん、暴力はダメですよ!?」
さっきお尻を瀕死に追い込んだ張本人はレナちゃんですが彼女はそんなこと知りません。
「くっ……フロンティア氏を呼ぶべきだと思う方は右手を、呼ばないべきだと思う方は左手を挙げてください」
うつ伏せのお尻は首から上だけ上げて二人に問いかけました。
そして右手を挙げるオッサン。
「フロンティア氏というのはまさるさんのことでしょうか?」
「あぁ、そうだよ。アイツまで来るといろいろ面倒だからオレは呼びたくない」
左手を挙げる清水。
「清水さんがそう仰るのなら更正の余地がありそうです」
レナちゃんは右手を挙げました。
「えー、賛成三人に対し反対一人なのでフロンティア氏を迎え入れる方向でお願いします」
お尻が採決を取りました。
賛成三人。
賛成……三人?
清水は反対しています。
お尻、レナちゃん。
「おい、賛成もう一人は誰だ?」
清水はお尻に確認しました。
「貴様の後ろですよ?」
振り返った清水の後ろには白人男性が突っ立ってました。
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