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はあ、俺はため息を吐いてからしまった、と思う。
ため息吐くと、幸せが逃げるじゃねーか。
でもため息も吐きたくなるだろ。
他のやつらもいる飲み会とはいえ、久しぶりに菊と会えると思って・・・
べっべつに、めちゃくちゃ楽しみにしてたとかじゃないんだからな!
ただその・・・菊と俺とは、こ、恋人だからな!!
菊が会いたがってると思って!
・・・たんだけどな。
「あ、アーサーさん、お久しぶり、ですね。」
「あっああ、久しぶり、だな、菊・・・」
なんだか変に緊張して、次の会話がすぐに始まらなかった。
その一瞬の間に菊は、
「きーくー!会いたかったあるよー!」
「きくちゅわーん、こっちでおにーさんと飲もう!」
俺の目の前からかっさらわれた。
「え、え?ちょっと耀さん、フランシスさん・・・」
困りながらも連れて行かれてしまった菊は、そのままフランシスと王のあいだに座らされ、酒を飲まされていた。
その間にも、菊の周りにはいろんなやつが群らがって来る。
恋人の俺が、他のやつと同じようにするのは癪だし、かといってその光景を見ているのもあほらしくて。
俺は始まったばかりの宴会場を出て、むしゃくしゃを抑えるために縁側で一服していた。
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