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『たちつてと』、の『ち』に点々。
ぢ。
痔。
痔!!
イボですがなにか。
俺はそんな二十四の秋、隣町の肛門科へ来ていた。
人気な病院だとは聞いていたが、朝一番に来たのに、すでに十時半。
まだまだ待ちそうだ。
あぁあ。
初めての有給で休んだのが、痔かよ、痔。
昨日、上司が笑って休みをくれた。
あの時の顔。
・・・。
俺は嫌な気持ちになったので、振り払うように前を向いた。
あ、まただ。
患者を呼びにくる看護師。
毎回毎回、俺を見る。
最初は、「肛門科に若い男が来るのがそんなに珍しいのかよ!」と腹立ちを隠せなかったが、そのうち段々・・・。
まあ、その看護師が可愛かったからだろうなぁ。
小柄というか、華奢というか。
最初はふっと目があった。
次の時は、眼鏡ごし、大きな瞳でまじまじこちらを見てきた。
その次も、その次も、患者を誘導しつつ、俺の事をちらっと見る。
俺も見返すと、ぱっと頬を赤くする。
色が白いから、すぐに分かる。
うなじに遅れ毛。
・・・。
たまらん。
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