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彼女が、また、待合室に来た。
カルテを見て、患者の名前を確認。
ふっと顔が明るくなった。
そして、今度は真っ直ぐ俺を見つめて、微笑んだ。
「サイトウ様、サイトウトモヤ様、お待たせいたしました。」
っか~、今、絶対、名前確認したよな。
好きな人の名前、絶対確認したよな。
可愛いなあ。
俺は彼女のところへ、なるべくスマートに歩いていった。
失態は許されないぜ。
俺はなるべくいい声で答えた。
「サイトウです。」
すると、彼女は微笑んだまま頷いて、そっと付け足した。
「トモヤンでしょ?」
え?
彼女は、俺を診察室に連れて行く。
「憶えてる?小学校の時、同じクラスに何度かなったよね?」
え?え?
「あ、忘れた?まあしょうがないかぁ。あの頃、私太ってたもんな。私、ハル。オガワハルだよ。」
・・・。
・・・。
なんと!
俺は頭をかきながら、ハルの後ろをついていった。
いやあ、気付かなかった・・・、惚れられたとか、マジ恥ずかしい。
つか、ハル、すげえ綺麗になったなあ。
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