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「ささ、どうぞ」
うやうやしくくしを掲げ、白雪姫の髪にふれようとした瞬間
「姫!危ないっ!!」
小人が一陣の風のようにかけてきて、くし売りを押しのけました。
「何をするっ!」
くし売りは叫びました。
「そうよ、小人さん!この方はくし売りなの。大丈夫よ」
「あんたには学習機能がついてないのか!」
「ばれてしまっては仕方がない。死ねっ!」
くし売りは手近だった小人の頭にくしを刺しました。
姫の鳥頭具合に、すっかりあきれ返っていた小人は、
あえなくくしの毒にやられ、ぱったりと息をひきとってしまいました。
「あぁっ。なんてことかしら」
姫が慌てて外へ這い出てきて、小人を抱き起こす頃にはくし売りの姿はどこにもありませんでした。
「わたしのせいで…小人さんごめんなさい」
泣く泣く姫は、小人を裏庭に埋めることにしました。
何故かちょうどいい穴があります。
姫は疑問にも思わずに掘ってあった穴に小人を入れて、やっぱりしっかり埋めました。
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