姫、城を追われる

6/12
前へ
/23ページ
次へ
白雪姫は、散々手間取りながら馬を降りて あたりを見回しました。 「今日のピクニックはここでするの? もう少し明るいところがいいわ」 「姫、どうか森の奥へお隠れになってください。捕まってはなりません。お命が危のうございます。」 狩人はその場にひざまずいて、哀願しました。 「ええ、わかったわ。ぜったい見つかりませんからねっ☆」 白雪姫は楽しそうにそう言って、森の奥へ駆けていきました。 「姫君が城を追われるとはなんと不憫な… しかし、さすがは姫、あのように気丈なお顔を見せてくださるとは。 命あってこそですぞ… 神よ姫をお守りください」 狩人は小さくなっていく姫の後姿を 涙、涙で見送りました。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加