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「水の中には・・・」  私の手はカタカタと震える。 「ずっと後悔しているの。ちゃんと探せばよかった。あの時言えばよかったって」  でもあの娘は還ってこない。 「水はあの娘を連想させるの。」  だから嫌い。        ダレガアノコヲコロシタノ?        ソレハ・・・  ティーカップから温もりは消えていた。それをじっと見つめる。 「もう、よろしいですか?」 「ええ、もういいわ」        ソレハ・・・ワタシ        ワタシナノ        ・・・・        モウイイカイ?        モ ウ イ イ ヨ  ふっと蝋燭の灯が消された。闇の帳がおりる。 「あなたはその娘が好きでしたか?」 「・・・」  嫌いだった。  私の大切な人を奪っていこうとした。  だから。  ・・・だから。
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