もう一度

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泣き出す私を見て、克也はまた笑うと自分の胸元に私を引き寄せた 克「けど、もう二度と離さねぇよ?」 うん… 離さないでよ…克也… ずっとずっと手、握っててよ… 私は暖かい克也の温もりに包まれながら、ポツリと呟く 華「克也…」 克「…ん?」 華「私ね…」 私はゆっくりと克也の胸から顔を上げた 克「…ん?」 不思議そうに見る克也の指にゆっくりと指を絡めた 華「私ね…本当に…克也に会えてよかったって思ってる」 克「……?」 いきなりそう言う私に克也は不思議そうに首を傾けた 華「克也さぁ…この前『運命』って信じる?って聞いたよね?」 そんなのお構い無しに続ける私 すると克也はハッとして目を見開いた うん…そうなんだ… このセリフはドラマの最終回 私が宝に言ったセリフ 華「あの時はバカにしたけど…正直今ならわかる気がする 私の運命の相手は、確実に…克也なんじゃないかなって…」 私が克也を真っ直ぐ見つめると克也はフッと笑って言った 克「……あまりまえだろ?」 私もフッと微笑む 華「私が克也と同じ星に生まれてたのも… 私のヘアメイク担当だったのも… 私が克也を好きになったのも… 全部、全部、偶然なんか…そんな安っぽいものじゃなくて…運命じゃないのかなって思ったんだ…」
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