序章

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俺様は魔王だ。 もちろん、自称なんて痛い事を言っている訳ではない。 エリートの集まる上級魔族学園の主席卒業生であり、最高位である、魔王の称号を冠した。 今、王城で卒業後の初任務の任命式の真っ最中だ。 「次、レオン・ベルガー」 俺様の名前が呼ばれると、辺りがざわついた。 俺様の地獄耳はしっかりと賛美の言葉を拾っていた。 「レオン様よ! かっこいい!」 「あれが、あのベルグ家の…」 「最年少で魔王の称号を冠したらしいぜ」 「…親の七光りじゃね~の。だってあいつは…」 ……。最後の奴は後でしばいておこう。 俺様はしっかりと奴の顔をインプットした。 もちろん俺様の実力は本物だ、しかし、遺憾ながら、俺様の親は有名すぎた。 「…レオン・ベルガー!」 再度呼ばれ、俺様は慌てて前に出た。 くそう…。奴のせいだ。しばきに一発追加しておこう。 「貴殿に次の任務を言い渡す。人間に支配された世界、『イザングラン』を征服されたし」 「承りました」 俺様は恭しく敬礼した。
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