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四条通りを河原町から祇園へ。 四条大橋は、平日にも関わらず、たくさんの人が行き交う。 鴨川沿いには春の心地よい気候の中、のんびりと佇む人たちが座っている。 祇園に入ると細い歩道は更に人込みになる。 誰かの歩調に合わせて、ゆっくりと突き当たりの通りまで出ると、そこに八坂神社がある。 京都の人たちには祇園さんとか、八坂さんって言われる、春には大きな枝垂れ桜が花を咲かせることで有名な円山公園の隣にある神社だ。 私が知っているのは、恋愛の神様というお話。 かなり遅くなった初詣がわりの参拝だった。 お参りを済ませたあとに、何気なくおみくじをひいてみると、「大吉」だった。 …何が大吉なのだろう。 何もうれしくない。 私の心が晴れやかなら、そのくじの言葉のすべてをはしゃいで喜んでいたことだろう。 その時の私は、「厄払い」的にお参りにきたのだ。 私はツイていない。 何がって…、すべての事柄においてだ。 中でも男運なんてものは、最低最悪。 これ以上ないっていうくらいに悪い。 今年こそいい年であるように願って、散歩がてらのお参り。 大吉というおみくじは、お守りがわりに持つ人もいるけれど、私はおみくじを木の枝に結んで、八坂神社を後にした。 これから私に大吉な1年が訪れてくれるのならいいけど、どう考えても有り得ない。 私の心は、いつも溜息で曇っていた。
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