2度目

10/12
前へ
/23ページ
次へ
引越して、部屋は一人にしてはじゅうぶんすぎるほど広くて。 部屋を掃除して、ほどなくすると鍵をかけ忘れた扉が突然開く。 驚いて振り返ると知らない男。 「すみません。まちがえました」 その突然の訪問者に笑いながら、私は引越を手伝ってくれた男の子にメールをする。 数日たつと、新しい職場にも慣れて、寮であるワンルームマンションの男の子の部屋に遊びにいく。 私の部屋のエアコンは壊れていて暑かったのが理由だけど。 そう。やっぱり私のまわりには、かっこいい人は多いらしい。 この仲良くなった男の子も、なんだかモテるらしかった。 だからこそ、顔にこだわることはない。 しょうちゃんの顔、あの系統の顔の人にこだわりはあるけれど、それ以外の男前はどうでもいい。 ちなみに奴は垂れ目。 ユウヤも垂れ目。 奴から見たユウヤは男前との評価だ。 奴の評価は誰かに聞いたこともないけど、女好きっぽいところがモテているのではないだろうか。 毎週木曜日はユウヤの休みの日。 水曜の夜にユウヤはきて、木曜の朝に私を職場まで送ってくれる。 ユウヤの携帯番号しか私は知らない。 知ろうとはしなかった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

105人が本棚に入れています
本棚に追加