105人が本棚に入れています
本棚に追加
引越して、部屋は一人にしてはじゅうぶんすぎるほど広くて。
部屋を掃除して、ほどなくすると鍵をかけ忘れた扉が突然開く。
驚いて振り返ると知らない男。
「すみません。まちがえました」
その突然の訪問者に笑いながら、私は引越を手伝ってくれた男の子にメールをする。
数日たつと、新しい職場にも慣れて、寮であるワンルームマンションの男の子の部屋に遊びにいく。
私の部屋のエアコンは壊れていて暑かったのが理由だけど。
そう。やっぱり私のまわりには、かっこいい人は多いらしい。
この仲良くなった男の子も、なんだかモテるらしかった。
だからこそ、顔にこだわることはない。
しょうちゃんの顔、あの系統の顔の人にこだわりはあるけれど、それ以外の男前はどうでもいい。
ちなみに奴は垂れ目。
ユウヤも垂れ目。
奴から見たユウヤは男前との評価だ。
奴の評価は誰かに聞いたこともないけど、女好きっぽいところがモテているのではないだろうか。
毎週木曜日はユウヤの休みの日。
水曜の夜にユウヤはきて、木曜の朝に私を職場まで送ってくれる。
ユウヤの携帯番号しか私は知らない。
知ろうとはしなかった。
最初のコメントを投稿しよう!