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「ねぇ…」
「ん?」
「彼女とは別れないの?」
「だから、別れようって言ったら死ぬって言うから…」
「ふーん」
それはユウヤの優しさ?
ユウヤが別れたくないだけ?
私はなに?
「愛してる」
ユウヤの言葉が胸を締め付ける。
大嫌い。
心の中で返事をした。
翌朝、私をユウヤは職場へと送ってくれる。
車の中で、ユウヤを引き寄せてキスをした。
「バイバイ」
「またな」
ユウヤは車を走らせる。
バイバイ。
私の携帯には、もうユウヤの名前はない。
私から電話をかけなければ、ユウヤからかかってくることはないだろう。
私からすべてを切れば、ユウヤは追いかけてくるはずもない。
最後は呆気なかった。
何度も泣いた。
何度も会いたいと思った。
それでも、私のものにしたいとは思わなかった。
嘘つきな人たち、私を泣かせてくれた人たち。
3人連続でまさか二番目にされるとは思わなかったよ。
ただ、それは私の心が選んでいたのかもしれない。
遊びでつきあえる人を。
私は誰ともつきあいたくなかったのかもしれない。
自分を傷つけないための嘘ばかりをつくのは、私。
おわり
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