2つ年下の男

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2つ年下の男

奴はそういう男なのだ。 2つ年下。 けれど、どう見ても私より年上に見えるだろうと思える容姿。 笑うと八重歯が見えるのは少しかわいい。 車がなければどこにも遊びにいけないような、辺鄙な土地。 私は車を持っていなかったし、職場で仲良くなった男によく乗せてもらって、職場の人たちとご飯やカラオケやビリヤードにいっていた。 奴とはそうやって知り合って、携帯番号を交換してメールのやり取りをしたりして。 淋しい私は、奴を部屋に入れてしまった。 あとはご想像のとおり。 つきあってもいないのにセックスして、その相性はものすごくよかった。 お互いが認めるほどに。 体の関係はそうして始まった。 つきあうことはなかった。 私も言わないし、奴も言わない。 私の部屋によくきても、部屋で眠ることもなく、やることをやったら帰っていく。 それを淋しいと思わない私はいなかった。 ただ、つきあうことを考えた時に、私は奴とはつきあえないような気がした。 まわりが言うのだ。 奴の今まで手を出してきた女の話を。 そう。奴はそういう男。 そういう男に体から惚れていった私も私だけれど。 だからこそ、私は奴から逃げ出したかった。 一言も愛の言葉なんて交わさない、体だけの関係の人。 私に淋しい気持ちばかりを与えて、私を振り回してくれる人。
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