2つ年下の男

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初めて会うような、そんな感じ。 毎日のように電話やメールをしていても、顔は覚えていなかったんだから当たり前かもしれないけど。 陽介は困ってはいたけど、優しかった。 泊まるのは陽介の家と決めてきた。 陽介の家に上がり込むと、3Kの大きな部屋。 「少し前まで彼女と住んでいたから女物おいてあるけど、気にせんで」 陽介は言ってくれる。 嘘つき。 私は心の中で思いながらも、陽介の嘘につきあうように時間を過ごし、陽介は深夜のバイトへといき、私は部屋に残される。 部屋を探索するほど悪趣味ではない。 ここで寝ていいよって言われたところで眠った。 深夜過ぎに陽介は休憩時間を利用して部屋に戻ってきて、眠っていた私にキスをして。 キスで起こされた私は、陽介に抱かれそうになったけど、体が拒絶をした。 嘘ばかりの人に抱かれるほど、私は飢えてはいない。 顔がいいとか、そんなものは私のまわりにはたくさんいたし、興味はなかった。 陽介を知りたかった。 本当のことを教えて欲しかった。 そうすれば、私は素直になれたかもしれない。 ……反対に、嘘を突き通してくれていたのなら、私はそれを真実と受け止めていたかも知れない。 突き通せない嘘なら、最初からつかなければいい。
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