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シャワーの熱が体を温める。 もっと温もりが欲しくて。 愛が欲しくて…。 そっとタオルを取り、扉を開けた。 「こっちへおいで」 言われるがまま近付くと、同じシャンプーの匂い。 「細いね」 そう言い抱き締めるおじさんの温もりを感じていた。 「電気は消して。」 ベッドに倒されると静かに呟いた。 「お願い。」 「わかったよ。」 パチっとした音と共に暗くなる部屋。 おじさんの顔が霞む。 霞んだ顔が近づき、胸に落ちる。 「いい体だ。」 そんな呟きも、暗闇に消える。 「おじさん、愛してよ。」 温もりを求めて、手を伸ばした。 気がつくと朝。 隣に気配はない。 シーツにくるまり、温もりを探す。そしてまた、眠りについた。
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