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人は自分を守るために、違う人をいぢめる生き物。そしてそのターゲットが私になっただけのこと。 なんで私が…とか そんなこと思ったところで状況が変わるわけでもない。   「きもいんだよ!」   顔面を蹴られ、鼻から血が流れた。それを拭いながら呟いた。   「死ね…」   みんなが一斉に言葉を失う。制服についた自分の髪を払い立ち上がると目の前の女は後ずさりをした。   「なっなに言ってんのこいつ!!お前が死ねよ!」   人間は脆い。弱い者をいぢめる生き物。自分を守るのに必死で、弱いの意味を履き違える。   一歩一歩そいつに近づき、髪を掴む。   「いっいたい!いたいいたい!!」   涙目になりながら叫んでいた。周りを見ると、みんな距離を保ち、化け物を見るかのような目をしていた。   「痛い?なら死ねば?痛みなんて感じなくなるよ。」   笑みを浮かべそう呟くと、思い切り床に投げつけた。
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