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ところで、彼女が最終的に落ち着いたデリヘルの入口には、女の子のアリバイ工作のため、広告代理店「○○企画」という別の表札があった。また、希望すれば、「○○企画」の名刺も用意してくれ、電話回線まであったという。 これが、後に経歴詐称という発想へのインスピレーションになったそうだ。
さらに、そのお店にはHPがあり、待機中に彼女はお客さんからの問い合わせメールに返信したり、掲載されている女の子のスケジュールを更新したりといった簡単な作業も行なったらしい。大学卒業以来、パソコンに触れたことは無く、ちょっとしたカルチャーショックを受け、暇があれば待機室でパソコンに触っていた彼女を見た店長が、使い方を教えたらしい。最終的には、エクセルやワードの基本的な使い方まで教わり、会計記帳や広告の編集なんかもやったようだ。
こうして、待機中の時間は無給である女の子に、ちゃっかり事務処理までさせたこの店長のお陰で、彼女はパソコンをある程度使えるようになったようだ。
しかし、そのデリヘルのお店は 彼女が勤め出して1年半程たった2月中頃のある日、経営者の夜逃げという形で突然無くなってしまったのである。こうして、彼女は再び転機を迎えた。
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