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「ロッテリア」に2時間ぐらいいましたが、連絡は無く、もう一度事務所に、行ってみてもやはり誰もいません。
ふと最近、店長がやけに事務所の整理をしていたことが頭に浮かび、何かあったなと、直感的に思いました。
少し前なら、その日のうちに、別にお店を探していたところでしたが、借金はまだ残っていたものも、幸い多少の余裕ができた頃でしたので、前から一度行ってみたい思っていた、ネットカフェに行くことにしました。
当時、松山で、ネットカフェはまだ珍しいものでした。
当然、入るのも初めてです。
ところで、なぜネットカフェかというと、事務所で待機中、よく店長が見ていたあるサイトをゆっくり閲覧したいと思ったからです。
何を隠そう、そのサイトとは、あの「2ちゃんねる」。
自分と同世代の人が、何をし、何を考えているか、そして、私のようないわゆる風俗嬢は世間ではどんなふうに見られいるのか、そんなことを知りたいと思ったからです。
ホームレスの多くが、熱心に新聞を読むように、人は、自分が社会からはみ出たことに気づくと、一般社会のことが知りたくなります。
私の場合も、これと同様でした。
実は、気付かないだけで、多くの人は狭い社会に住んでいると思いますが、お水や風俗はさらに、特異な社会です。
こう考えると、私がインターネットに、漠然と世間を求めたのは、自然な成り行きだったと思いますが、幸運なことでした。
自分が置かれている社会的状況が、どんなに惨めなものなのか、他人から本音でどのように見られているのか、決して誉められたことじゃないのは分かっていましたが、こんなに酷いとは。
それなら普通の正社員になるのはどんなものかと、2ちゃんねるの「転職」なる欄を閲覧すると、さらに過酷な現実を知りました。
それを要約すると、フリーター(私は取り合えず自分をこう捉えていた)を長年してると、「職歴が無いから職が無いし、職が無いから職歴も無い」というジレンマに陥り、結局はフリーターを続けざるを得なくなるということです。
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