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彼女は、この妄想を現実とした。
まず、『しごとプラザ』という銀天街にあるハローワークで、相談員をすっかり信じ込ませた。失業保険の受給について尋ねられた時も、「個人の零細企業だったので加入して無かったんです。」と言うと、特に疑われることも無かったようだ。まあ、零細でしかも個人企業なら、それ程変わったことではない。
しかし、彼女は意図して前職を「社会保険の無い倒産した個人企業」としたそうだ。法人なら、倒産しても閉鎖謄本に記録が残るし、雇用保険や厚生年金があればそれも年金手帳に記録されるからとのことである。(ちなみに多くの企業が雇用保険者証を、年金手帳にホチキス留めしている)つまり、前歴の確認が取りにくい経歴にしたのである。ちなみに、現在は個人情報保護法の影響で、在籍確認に応じない企業も多いようだ。
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