序章

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救急隊員達が慌ただしく動き回り出す。 「心臓停止です!」 「心肺蘇生だ!」 彼はその様子を見ながら呟いた。 「無駄な事を。魂はもう回収済みだ」 彼の左手には、淡く光る球体が握られていた。 「さて、帰るか」 彼が魂を握り、夜空を昇ろうとした時、その声は聞こえて来た。 「…私、死んでしまいたい…」 小さいのに、やけにはっきり聞えた声。彼はニヤリと笑った。 「いいぜ、連れて行ってやる」
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