邂逅

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 『こんにちわ、僕ソロモンって言います。よろしくお願いします!』  開口一番、彼の挨拶は奇天烈を極めていた。  仕事の初日の挨拶で、本名を告げるのではなく、あだ名で挨拶をするその神経の異常さに鳥肌がたった。  「え?……君、〇〇君て名前じゃないの?」  その場に居合わせた人間にしてみれば、至極当然といった反応だろう。彼のボケだったとしても空気が読めなさすぎた。しかしそこはまぁ初めて働くアルバイト先、多少の常識が無い程度で済ませてしまえない事もなかった。  しかし、さらなる返答に度肝を抜かれる事になる。  「あ、はい。あ、僕mixiやってるんですけど、mixi始める時にニックネームって付けるじゃないですか? で、友達に相談したら、あ、その友達ガンダム好きなんですけど、ガンダムに出てくる名前にソロモンって名前があるらしいんですけど、それでいいじゃん。って話になって、それで僕も、それ良いなぁって思ったので、ソロモンて呼ばれてるんです」
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