邂逅

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 一同唖然。  あまりのツッコミ所の多さに、もはや開いた口が塞がらないとはこのことだった。しかし、その圧倒的な存在主張が一人の男のハートをガッチリと掴んでいたことが、この後に語られる彼のブログ列伝に繋がっていくとは、そういう先入観の欠片も無かった当時は分からなかった。  仕事に対する真面目さや、愛想は悪く無かったものの、見た目がロンパリな彼を敬遠する者も多かった。だが、見た目や性格ではなく、仕事で判断する私にとっては単なる話のネタでしかなかった。  やがて彼がある程度仕事に慣れた頃から、事件は正に現場で起こり始めた。  作注)ロンパリとは視線が左右にズレていて、視点が表面上一点でない状態を指します。 目線がロンドンとパリぐらいに離れているという言葉から来たとか来ないとか。
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