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そう言って刹那に話し掛けて来たのは、黒髪の女性だった。
「ん?見えるよ、普通に。何で吃驚してるわけ?・・・・・・・そういや、昌浩君も驚いてたな、もっくんのデカバージョンが見えるって知ったとき。」
「そりゃあびっくりしますよ!普通は見えないもんなんですから!!」
「・・・・・そうなのか?今一分からんが・・・・・。」
その時、晴明はあることに気づいた。
「ところで、刹那様は何処から来たのですか?」
この時、刹那の肩がぴくりと動いた。
聞かれるだろうなと思っていたが、流石に言い難いもの。
「っそれは・・・・言えません。言っても信じないと思いますから・・・・。」
「何故です?」
「・・・・・・俺自身、まだ信じられないから・・・ただの夢だと思いたいから・・・だから「信じますよ」えっ?」
晴明はにっこりと笑うと、刹那に近づいて頭をそっと優しく撫でながら言った。
「信じますよ。話してみて下さい。」
「・・・・・・・はい。・・・・実は・・・・・俺は未来から来ました。今から千年以上も後から・・・・。」
「・・・・・成る程、だから信じないと・・・。」
刹那は頷くと話の続きへと移った。
「俺は友だちと分かれた後、近所の公園に立ち寄ったんです。公園には誰もいなかったけど、黒猫だけがいました。その猫が気になって、見ていたら猫も気づいて俺を見たんです。・・・・・その時、声がしたんです。」
「声?」
晴明が聞いたので刹那は頷いた。
「・・・・・みつけた。そう言うのが俺のそばで聞こえて、その後、意識を失っていて、気がついたときにはもうこの世界にいました。」
深く息を着いた刹那はやっぱり信じないよなと思った。
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