第三話 「対面」

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それから部屋の中がシーンと静かになり、やがて晴明がおもむろに声を上げた。 「・・・・・・・・話してくれてありがとうございます。辛かったでしょう・・・・・いきなり知らない土地に来られて・・・・・・・。」 晴明はそう言うと、祖父が孫にする様に刹那の頭を撫でながら抱きしめた。 言った事を信じてもらえた刹那は緊張の糸が切れたのか、晴明の肩に顔を隠し、声を殺して泣いた。 そうして暫くすると、泣きつかれたのか、いつのまにか刹那は眠ってしまった。 晴明は近くにいた黒髪の女性―勾陣と鳶色の髪の男性―六合に言った。 「刹那様を用意した部屋に連れて行ってくれ。暫くは様子を見てくれないか。」 「わかった。」 六合はそう言うと、軽々と刹那を抱き上げて部屋を出た。 「昌浩もそろそろ戻りなさい。明日の出仕に遅れるぞ。」 「分かりました。では、おやすみなさい。」 昌浩はもっくんを引き連れて部屋を出て自室に戻って行った。 暫くして勾陣が言った。 「・・・・・・あの娘、内に秘めている能力(チカラ)に気づいていないな・・・・・。」 「ああ。・・・・・・暫くはこの屋敷に居させよう。その方が彼女にも良いじゃろう。」 「俺は反対だ。」 そう言ったのは蒼色の髪をしている青龍だった。 「あんな素性も知れぬ小娘を何故ここに居させなくてはならん!!何をしでかすか分からんのだぞ!!」 「彼女は大丈夫じゃ。あれと同じ目をしている・・・・悪い子ではない。」 「だが!!」 「宵藍。」 晴明がそう呼ぶと青龍は苦虫を噛み潰したような顔をして、異界へと帰っていった。 「やれやれ・・・・・・先が思いやられるわい・・・・・。」 晴明はため息をこぼした。 「では私も行ってくる。」 そう言って勾陣は晴明の部屋を出ていった。 その後、晴明はおもむろに六壬式盤を取り出すと調べ始めた。 一刻半後に出た結果は晴明の予想を超えていた。 晴明の予想では、刹那の見鬼の才は晴明以上と推測されたが、何か特別なものではないと思っていたからだ。 だが、・・・・・・・・・ 「――・・・・・・・・異国の地より舞い戻りし神の姫、この地を災いから救う大いなる光に成らんとす・・・・・・・。」 next→
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