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刹那が色々未来の事について語っていると、いつのまにか晴明たちの居る部屋に着いた。
「おはようございます、刹那様。良く眠れましたか?」
「おはようございます、晴明様。もう、すっきりです!あと、俺のことは刹那でかまいません。様をつけるほど偉くありませんから。」
「そうですか。では刹那、わしの事はじい様と呼ぶように。」
「……はい?」
突然、晴明は言うとこれまた飄々と言ってのけた。
「今日付けで、刹那をわし等の家族にしようと思っての~。さっき、吉昌とも決めたんじゃが、吉昌は良いと言ってるんじゃ。
露樹も娘が出来ると聞いて悦んでいたし、別に構わんじゃろう。」
ホホホっ戸笑う晴明に少し呆れた目を送るもっくんと、未だにぽかんとした表情の昌浩と刹那がいた。
未だかつてこれほど驚愕した事があっただろうか、何処をどう飛んでそのような話に発展したんだと刹那が呆然としていると、
奥の部屋から昌浩の母と思しき人と一人の少女が出てきた。
「おはようございます。晴明様、吉昌様、昌浩、もっくん。・・・・・・そちらの方は?」
「おはよう彰子。この人は真宮刹那さん。昨日からうちに泊まってるんだ。」
「そうなの?はじめまして、彰子です。」
「あっはじめまして、刹那だ。刹那で構わねぇ。俺も彰子って呼んで言いか?」
それを聞くと彰子は花が咲いたようにうれしそうに笑った。
「もちろん!では、刹那姉様と呼んでもいいですか?」
「いいよ。」
刹那が照れたように頷くと小さくだがはっきりと「刹那姉様」と呼ぶ彰子の声が聞こえた。
「まぁ、もう仲良くなったの?彰子さん。」
彰子とともにやって来た昌浩の母――露樹がにこにこしながら刹那達のほうにやって来た。
「あっ、おはようございます。露樹様。それと、はじめまして刹那です。」
刹那が露樹に頭を下げると露樹も、
「おはようございます、刹那さん。義父から聞いています。私の事は母上と・・・・・。」
「いいんですか?」
「ええ。私としても、娘が増えてうれしいんですから・・・・。」
「ありがとうございます!!!」
晴明は新しく孫が出来たの~と言って、昌浩には、
「これ昌浩や、いつまでつったとるんじゃ。出仕に遅れるぞ。」
「あっはい!」
昌浩は急いで朝餉を食べ終わると、ご馳走様といって早々と自室に戻っていった。
彰子と刹那は顔を見合わせるとクスリと小さく笑い合うのだった。
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