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「・・・・紅蓮、もう大丈夫だからそろそろ離して////////・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
ゆっくりと名残惜しそうに離れた紅蓮に刹那はふと、気になった事を聞いた。
「ところで紅蓮、どうしてここに入るんだ?昌浩と一緒じゃなかったのか?」
「いやっその・・・・嫌な予感がして、昌浩に言ってここに来たんだ。すぐに戻らないと行けないんだが、
・・・・・・暫くは大丈夫だと思うから勾達にところまで送ろう。」
そう言うと、刹那を抱えると勾陣達の処までゆっくりと歩いた。
俗に言う姫様抱っこされた刹那は恥ずかしさの余り、慌てて下ろすように言うが、紅蓮は聞く耳も持たなかった。
暫くすると、刹那を呼ぶ彰子達の声が聞こえて漸く、紅蓮は刹那を下ろした。
そして、刹那の肩を持つと勾陣の名を呼んで無事合流する事になった。
彰子は刹那を心配する余り、涙目になりながら抱き付いた。
「良かったっ、姉様!心配したんですよ!!」
「ごめんな、彰子。勾陣も六合もごめん。」
「いや、我らも悪かった。これでは護衛の意味が無いな。晴明にどやされる。」
「・・・・・・ところで騰蛇、お前は昌浩に付いていてのではないのか?」
六合の質問に刹那が代わりに答えた。
「紅蓮は嫌な予感がしてこっちまで着てくれたんだ。紅蓮が来てくれたお蔭で、追剥ぎに着物取られずに済んだんだ。」
「「「追剥ぎ!!」」」
刹那が頷くと、勾陣と六合は背中に冷たい水が流れたような気がした。
「紅蓮、カッコ良かったんだぜ!」とそのときの様子を彰子に説明する刹那の姿を見る紅蓮の目は優しさに満ちていた。
「じゃあ、俺は戻るから。」
「うん。紅蓮、ありがとう!!」
じゃあね~と手を振る刹那の声で我に返った勾陣と六合はこの後の事を思うとがっくりと肩を下ろすのだった。
案の定、晴明は昼間起こった事を式を使って見ていたのだろう。
家に着くと、ホホホっと口では笑っているのだが、目が恐ろしいほどに笑っていなかった・・・・・。
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