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男と客が楽しそうに談笑している所へ、愛想の欠片もないような無表情の女が店の奥から現れた。
「お待たせしてすいません。ようやく焼き上がったみたいで」
何も言わない女の代わりに、男が申し訳なさそうに謝る。
「いいのよ、アシュレイ。おかげで楽しい時間を過ごせたし」
黙々と商品を陳列する女を身ながら、客は穏やかな笑みを浮かべた。
陳列し終えると、女は軽く頭を下げ、店の奥へと引っ込んでいく。
「またね」
「ありがとうございました」
客のいなくなった店内。
途端に今までの和やかな雰囲気とは似ても似つかない顔で、男は静かにその名を呼んだ。
「ノエル」
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