9・11の総選挙は稲川会対山口組の戦いであった。

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最近は、ヤクザの世界も国際的なつながりが深くなっているのです。だが実態はなさけないかぎりです。かつて、ある人が山口組の幹部にいったのですが、「あんた方、もともと国際的な組織なんだから、こんなところでうろうろしてないで、どうせつぶされるから、東南アジアでもどこでも行って商売をしなさいよ」といったら、「いまは我々にはそんな力はありません」ということでした。 昔、日本のヤクザは大陸をはじめ海外のあちこちに行っていましたが、そのときは、軍という後ろ盾があった。それがなくなってしまった。戦後は、やはりお金、ODAなどという後ろ盾があった。タイのバンコクでも、日本のヤクザがたくさん入っていた。そのころは、まだ日本がどんどんお金を出していたからです。ところが、今はさっぱりダメになっている。アジア全体で、ヤクザも含めて日本全体の存在の影が薄くなってしまった。かわって中国です。今、東南アジアの裏社会は、すべて中国マフィアが支配しています。 5代目の山口組には任侠道はありませんでした。ゼニだけです。ゼニのためなら何でもする。昔、ヤクザの人たちは、最低限度、泥棒だけはしなかったのです。ところが、最近は、中国人の泥棒の手先にまでなっています。しかし新体制の山口組は、いささか様子が違うようです。山口組の再興をはかろうとしています。これが表の政治や経済の世界にどのような影響を与えるか注目を要するところでしょう。
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