2人が本棚に入れています
本棚に追加
今日は――日曜日か。
天気がいいわよ・・。
脳天気な声。
俺の部屋の前を通り過ぎた母親が声をかける。
いつだって世話しなく動いて、
やたらと元気な振りをして、
趣味なのか白い服ばかり好んで着る母親――。
を
俺は他人のように思い、
接する。
彼女は過保護だ。
毎日毎日・・・。
三食きっちり同じ時間に支度を整え、
皆に呼び掛ける。
『皆』
俺の家には、
いつからか同居人がいる。
それもかなりの人数だ。
他人の世話まで引き受ける――。
彼女ならやりそうなことだ。
もちろん一人では手が足りない。
家政婦も何人か、
交代でやって来ていた。
大々的な増築は、
俺が家を飛び出してフラフラしていた時期に、
行われたんだろう。
父親は多忙らしく、週に一度ほど、顔を見せるか見せないかだった。
いつも糊のきいたシャツを着て、
俺の前では穏やかな振りをしていた。
幼なじみのマミを――。
「彼女は傷ついて大変だから、しばらくここで暮らしてもらおう」
と、
我が家の一員に加えたのは、
親父だと、
家政婦が言っていた。
最初のコメントを投稿しよう!