『イチ』  ~沈黙の天上、うごめく内腐~ 

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    今日は――日曜日か。          天気がいいわよ・・。          脳天気な声。            俺の部屋の前を通り過ぎた母親が声をかける。              いつだって世話しなく動いて、        やたらと元気な振りをして、        趣味なのか白い服ばかり好んで着る母親――。            を            俺は他人のように思い、  接する。            彼女は過保護だ。              毎日毎日・・・。        三食きっちり同じ時間に支度を整え、    皆に呼び掛ける。            『皆』              俺の家には、  いつからか同居人がいる。          それもかなりの人数だ。            他人の世話まで引き受ける――。    彼女ならやりそうなことだ。              もちろん一人では手が足りない。        家政婦も何人か、  交代でやって来ていた。                大々的な増築は、    俺が家を飛び出してフラフラしていた時期に、    行われたんだろう。              父親は多忙らしく、週に一度ほど、顔を見せるか見せないかだった。                いつも糊のきいたシャツを着て、    俺の前では穏やかな振りをしていた。                  幼なじみのマミを――。                  「彼女は傷ついて大変だから、しばらくここで暮らしてもらおう」              と、                我が家の一員に加えたのは、      親父だと、      家政婦が言っていた。       
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