2人が本棚に入れています
本棚に追加
…家政婦たちは、
…俺をさん付けで呼ぶ。
時には
「坊っちゃん」と。
親父がどれ程の給料で
彼女たちを雇っているのかは、
知らない。
なんにせよ家政婦たちは、
俺には親切で
気配りを欠かさず
俺を病弱と決めつけているらしく
毎日のように具合はどうかと訊いてきた。
「…別に、どうも」
俺の返事はいつも同じだ。
言うべきことは
なにもない。
最初のコメントを投稿しよう!