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少年は緑色の生き物に近づき、当たり前のように鎌を振り下ろした。
「!?」
女は髪一本斬られたが、なんとか避けた。そして距離を空けるとお互いを見、思考する。
少年は歓喜した。今まで攻撃が当たらなかったことなど無かった。しかし目の前の生き物はかわしたのだ。
少年は楽しくて仕方ない、そういったような顔をしていた。
「これは…ヤバいわね」
女は鳥肌が全身に現れていた。体中を虫が這うような不快感、恐怖。
目の前の少年。彼が後ろの死体を殺したことがさっきの攻撃でわかった。
達人並みの攻撃の早さと鋭さ。
この小さな少年のどこにそんな力があるのか…。
攻撃する気配を感じることができなかったら恐らく自分も地に伏せ事切れていただろう。
(この少年は絶対強くなる……意地でも連れて帰る!!そして……)
女は剣を握り締め、構えた。
もう油断しないように、空気を切り替えて。
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