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女が手を向けると地に落ちた木の枝が折れ、石が地面に食い込んでいく。
「!?」
少年は初めての感覚に戸惑っていた。体が非常に重い。骨が軋む。
少年は驚き、女を見た。手を自分に向けて佇んでいるだけだが、アイツがしている。それを理解できた。
「グァァァァラァァァァ!!!!!!」
少年は目の前の生物に向かい、雄叫びを上げ、近いていった。
瞳孔には変化が起きていた。
(まだくるの…元気すぎでしょ)
女は呆れながらも魔法を放ち続けた。
(さっさと倒れてよね)
女は一歩。また一歩と近付いてくる少年を見ながら考えていた。
そして少年は女へ後3歩で間合いに入るところで女を見た。
「!?解除!!」
急な重力の変化に体は耐えきれず、少年は血を吐き、ついに倒れた。
「瞳が縦に……。ホントにこの子は何者かしら」
女は自分の傷に回復魔法をかけ、少年を担いだ。
少年の瞳は瞳孔が縦に伸び、まるで蛇のような瞳になっていた。
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