遭遇

6/10
前へ
/305ページ
次へ
女が手を向けると地に落ちた木の枝が折れ、石が地面に食い込んでいく。   「!?」   少年は初めての感覚に戸惑っていた。体が非常に重い。骨が軋む。 少年は驚き、女を見た。手を自分に向けて佇んでいるだけだが、アイツがしている。それを理解できた。   「グァァァァラァァァァ!!!!!!」   少年は目の前の生物に向かい、雄叫びを上げ、近いていった。 瞳孔には変化が起きていた。   (まだくるの…元気すぎでしょ)   女は呆れながらも魔法を放ち続けた。   (さっさと倒れてよね)   女は一歩。また一歩と近付いてくる少年を見ながら考えていた。   そして少年は女へ後3歩で間合いに入るところで女を見た。   「!?解除!!」   急な重力の変化に体は耐えきれず、少年は血を吐き、ついに倒れた。   「瞳が縦に……。ホントにこの子は何者かしら」   女は自分の傷に回復魔法をかけ、少年を担いだ。   少年の瞳は瞳孔が縦に伸び、まるで蛇のような瞳になっていた。
/305ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8355人が本棚に入れています
本棚に追加