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「それで連れて来たってワケか……」
ソファーに深く腰を下ろし、リーゼ達3人と向かい合うのはサークル『流星』のボス、ティアだった。
ウェーブのかかった赤い髪に、妹と瓜二つのルビーを埋め込んだような赤い瞳。
その赤い瞳は自分と同じ瞳を持つ、妹であるシルフィを捉えていた。
無論、命よりも大切な妹に対する非難や叱責の情は全く無い。
むしろ、舞い込んだトラブルを楽しんでいるようにもリーゼは感じた。
「姉さん……勝手な判断をしてしまった事は反省しています。
けど、ユーア姫にも何か事情がーー」
終始俯いていたシルフィはそんなティアの表情など露知らず。
今にも泣きそうな顔をしていた。
しかし、ティアはそんなシルフィの頭を撫でながら、優しく微笑む。
「全く、責任感が強いのも困るな……。
私がこの程度のトラブルでお前を責めるわけないだろう……」
「……姉さん!」
シルフィを胸に押しつけ、頭を撫でてやりながら、ティアは向かい合う王女へと視線を向ける。
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