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ー数分前・番人の間ー
「ムム、まだ、皆来てないみたいだね」
「ええ、そうみたい…」
2人が辿り着いた場所は番人の間。
巨大な円形の部屋。
天井には巨大な白い狼が描かれている。
それと同一の狼の石象が部屋の奥に安置されていて、そこまでは赤い絨毯が転がされていた。
壁には様々な神々や天使が描かれ、他の部屋と差がよくわかる。
全体的に暗いが、蝋燭が規則正しく壁に取り付けられていた。
「…ここが、番人の間」
「ああ、仕方無い。
ここまで来ちゃった以上はやるしかないか」
クリスは装備の確認を始めてしまう。
「え? 一体、どういう事?」
状況を飲み込めないリーゼは慌ててクリスに尋ねる。
「君の魔術師としての腕前を信じるよ。
じゃ、手出して」
「?」
言われるがままにリーゼが右手を差し出すと、クリスも同じく左手でガッチリと掴む。
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