入団試験

14/24
前へ
/74ページ
次へ
ー数分前・番人の間ー 「ムム、まだ、皆来てないみたいだね」 「ええ、そうみたい…」 2人が辿り着いた場所は番人の間。 巨大な円形の部屋。 天井には巨大な白い狼が描かれている。 それと同一の狼の石象が部屋の奥に安置されていて、そこまでは赤い絨毯が転がされていた。 壁には様々な神々や天使が描かれ、他の部屋と差がよくわかる。 全体的に暗いが、蝋燭が規則正しく壁に取り付けられていた。 「…ここが、番人の間」 「ああ、仕方無い。 ここまで来ちゃった以上はやるしかないか」 クリスは装備の確認を始めてしまう。 「え? 一体、どういう事?」 状況を飲み込めないリーゼは慌ててクリスに尋ねる。 「君の魔術師としての腕前を信じるよ。 じゃ、手出して」 「?」 言われるがままにリーゼが右手を差し出すと、クリスも同じく左手でガッチリと掴む。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

367人が本棚に入れています
本棚に追加